想いを繋ぐ人
ウーブン・バイ・トヨタのメンバー

Woven Cityが未来へ
繋いでいくもの

プレス建屋、トヨタスクールなど形を問わずWoven City へと受け継がれていく東富士工場の歴史と想い。長年の歴史を経て築き上げられてきたこうした伝統が、未来をつくりあげていく基礎となるのです。ここでは東富士工場の歴史を引き継ぎ、未来に向けて取り組むウーブン・バイ・トヨタのメンバーにお話を聞きました。

今まさにWoven City の第一期工事が進む東富士工場の跡地。ここに受け継がれるプレス建屋のリノベーションに至った理由を、建築分野を担当する水野祥さんは次のように振り返ります。

Woven Cityが未来へ繋いでいくもの #01

「2020 年秋、工場が稼働していた最後の時期に残せるもの、活かせるものを検討しようと視察しました。からくりと呼ばれるモノづくりの工夫に情熱を感じただけでなく、食堂に飾られていた工場見学に参加した小学生からのメッセージを見て、地域の人との繋がりを強く感じました。工場の単なる“もの” を表面的に引き継ぐのではなく、モノづくりのフィロソフィーと文化、地域への強い想いを残さなければ、TMEJ の皆さんの想いを引き継ぐことにはならないと深く心に刺さりました。働いていた皆さんが帰りたいと思える場所、新しいモノづくりの場所として地域と繋がり続けていくようにすることが使命であると感じ、その答えが、プレス建屋を残せないか、ということでした

Woven Cityが未来へ繋いでいくもの #02
工場見学に参加した小学生からのメッセージ

すでに工場の解体は一部で始まっていましたが、2021年の春にかけて、プレス建屋だけは取り壊さずに活用できるよう、チームでプロジェクトを起案し急遽社内の承認をとりつけたといいます。

「これは凄いことになったぞ」と、視察グループの案内を務めた太田達也さんは回想します。当時はTMEJの社員で、東富士工場工務部の所属でしたが、現在はウーブン・バイ・トヨタで働いています。視察グループの受け入れをした際は閉所を前に感情面で揺れていた時期だったといいます。
「とにかくこの人たちに伝えるしかない、ちゃんと伝え切ろうと。想いを本気で説明しながらも、『中途半端な思いで(視察に)来るなよ』という強い気持ちはありましたね。こちらは辛い気持ちを押し殺して案内していた訳ですが、(その想いが)伝わってくれたのかな、と思います」

Woven Cityが未来へ繋いでいくもの #03

プレス建屋について、水野さんはこのように語ります。
「プレスって自動車のホワイトボディ(塗装前の車体)ができる一番最初の工程で車両がつくられる起点なんですが、その建屋が残せたことは本当に運命的だったと思います。Woven Cityにおいても、同じように、モノづくりの起点にしていきたいと思っています」

Woven Cityが未来へ繋いでいくもの #04

携わった人の想い、熱量を伝える

東富士工場からWoven City へ。受け継がれるのは、建物の一部やものづくり文化のみならず、携わる人々の想いや仕事に込めた熱量でもあります。
2020 年に工場が稼働を止めてからも、1977 年から続くTMEJ とトヨタ自動車東富士研究所によるトヨタスクール(社会科見学)は現在も続いています。当時TMEJ で担当していた太田さんを中心に市内の小学校にかけあって、工場見学から出前授業方式に変更して実施することができました。

「TMEJ 退職前に、消えかけた火を灯し続けたい、何とか未来に繋げようと、自分ができる感謝として取り組んでいました」(太田さん)
ウーブン・バイ・トヨタも2022 年から参加。TMEJ、トヨタ自動車、そして太田さんとともにトヨタスクールを担当する小野玲実さんはこう語ります。
「私は東富士工場が既に閉鎖をした2021 年からウーブン・バイ・トヨタで働いており、操業していたときは見たことがありません。しかし、TMEJの皆さまや太田さん、色々な方の想いを、私もしっかり繋いでいきたい。そんな想いを持って、実際に自分も生徒の前に立ち、お話しさせていただいています」

Woven Cityが未来へ繋いでいくもの #05

この出前授業でウーブン・バイ・トヨタは、小学生向けにはWoven City の完成予想図をデジタルで再現しその中をバーチャルに歩く体験をしたり、中学生には東富士工場の歴史を紹介して「自分以外の誰かのためにやってみたいこと」を考えるワークを実施しています。大人が思いもよらないアイデアが寄せられ、驚き感心させられることも多々あると、太田さん、小野さんの2人は笑みをこぼしながら話します。

出前授業 in 裾野市内中学校 2023

「私は、豊田章男会長が掲げる『町いちばん』っていう考え方が大好きなんです。世界一でも日本一でもなく、地域の皆さんに愛され頼られる存在でありたいという気持ちを大切にしてきました。未来に繋がるものを残そうという想いがあって、実際にこの街で未来が作られていく——。だから『裾野市っていいじゃん』って子どもたちが思ってくれたらいいなと。地域の皆さんと一緒になって未来を創ろうとしていることを伝えたいですね」(太田さん)

携わった人の想い、熱量を伝える

ウーブン・バイ・トヨタのメンバーは、東富士工場の歴史と想いを、様々な取り組みを通して未来に繋げていきたいと考えています。

プレス建屋を残すことについて、「当時の東富士工場の社員は工場をいずれ離れるので、本来はWoven City のためにあんなに一生懸命になる必要はないはずです。しかし、TMEJ さんが東富士工場の歴史を未来に繋げると考えていたことは、『自分以外の誰かのために』という想いがあったからだと思います。我々もメンバーは変わっていきますが、その想いを引き継いでいかないといけないですし、その姿勢が求められると思っています」(水野さん)

Woven Cityが未来へ繋いでいくもの #06

トヨタスクールにおいても、「これは、お世話になっている地域の方々への感謝を込めた活動です。先生方からは、自分も小学生の時に参加したことを鮮明に覚えていると言われることがあります。当時、研究所や工場設立から地域の方々がトヨタを受け入れてくれたことへの感謝を忘れず、これからも続けていきたいと思っています」(太田さん)
トヨタスクールにおいても、「これは、お世話になっている地域の方々への感謝を込めた活動です。先生方からは、自分も小学生の時に参加したことを鮮明に覚えていると言われることがあります。「トヨタスクールなど地域に根差した活動は、長い歴史の中で、工場閉所などがありながらも、太田さんをはじめとした先輩方のご尽力で繋がっています。そんな先輩方の経験や東富士工場のこれまでの歴史のもと、今も頑張って未来に向けて取り組んでいるという想いを、この活動を通して地域の方にぜひ知っていただきたいですし、今後形は変わっていくかもしれませんが、世代を超えて繋がっていくと良いなと思っています」(小野さん)

Woven Cityが未来へ繋いでいくもの #07

水野 祥 Sho Mizuno

トヨタ自動車で国内外のビルや工場の建設プロジェクトに携わってきた。2020 年よりWoven City の業務に参画。Woven Cityのマスタープランや将来計画、プレス建屋のリノベーションプロジェクトを手がけている。

太田 達也 Tatsuya Ota

セントラル自動車にエンジニアとして入社後、3社統合を経て東富士工場工務部にて総務やトヨタスクールを担当。2021 年退社後、縁あってウーブン・バイ・トヨタで地方自治体や地域コミュニティとの渉外を担う。

小野 玲実 Remi Ono

トヨタ自動車に入社後、海外との渉外広報を担当。2021年よりウーブン・バイ・トヨタに出向し、トヨタスクールを担当。

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